
絶滅危惧ランク
アンデスコンドルが飛来するコルカキャニオン
このコルカキャニオンでは早朝にアンデスコンドルが来ることが有名で、近くの町からバスで10分ほどで山頂に行けるようになっている。しかし毎日くるわけではないし、来ても1~2羽くらいの少ないコンドルがたまに横切る程度だ。理想の写真を撮るためにバスでは向かわず日の出から歩いて2時間かけて山頂に行き、毎日9時間コンドルを待ち続けた。5日目にして20羽程度の群れがきて理想の岩に止まってくれたのが上の写真だ。5日経った頃には紫外線で自分の肌がゾンビのようにたるんでいてショックでした。

現在の個体数は…
アンデスコンドルの個体数は減少傾向にあり、現在は世界でおよそ6,700〜10,000羽と推定されています。原因の多くは人によるもので、鉛弾による中毒、密猟、餌不足、送電線との衝突などが挙げられます。特にアンデス北部では絶滅寸前の地域もあります。繁殖速度が非常に遅く、2年に1度しか1羽しか育てないため、回復には時間がかかります。各国では保護区の設置、人工巣の提供、再導入プログラム、環境教育などの保全活動が進められていますが、長期的な取り組みが必要とされています。

雄雌で姿が違う
アンデスコンドルは雄と雌で外見がはっきりと異なる「性的二形」を持つ珍しい猛禽類です。雄は頭に「肉冠(にくかん)」と呼ばれる大きなこぶ状の突起があり、首元の皮膚もより発達しています。一方、雌にはこの肉冠がなく、顔つきもよりすっきりしています。また、体格も雄の方が一回り大きく、翼を広げたときの長さは雄で最大3.2mにも達します。雄は首の周りに白い襟巻き状の羽が目立つ個体が多い。紫外線の影響もあるのか、老齢と思われる個体は雄でも雌でも茶色い姿の個体が多い。

世界一大きい空を飛ぶ鳥
アンデスコンドルは、翼を広げると最大で3.2メートルに達し、世界で最も翼開長の大きい飛翔性の鳥とされています。体重は10〜15キロほどで、その巨体を生かして山岳地帯の上昇気流に乗り、ほとんど羽ばたかずに長距離を滑空します。南米のアンデス山脈沿いに生息し、主に死肉を食べるスカベンジャー(腐肉食動物)です。鋭い爪は持たず、強力なクチバシで肉を引き裂きます。また、嗅覚よりも視覚が優れており、広大な山岳地帯を飛びながら餌を探します。寿命は50年以上と長く、繁殖は2年に1度と非常にゆっくりで、つがいで子育てを行います。

コルカキャニオンでアンデスコンドルを見る
クルス・デル・コンドルは、ペルーのコルカキャニオンにある人気の展望スポットで、アンデスコンドルの観察地として世界的に有名です。標高は約3,700メートルで、谷底までの落差は1,200メートル以上あり、そこを悠々と滑空するコンドルの姿を間近で見ることができます。特に朝9時〜11時頃は上昇気流が発生しやすく、コンドルが活発に飛び始める時間帯とされ、多くの観光客が集まります。眼下には雄大なコルカ渓谷が広がり、空と谷を背景に舞う巨大なコンドルは圧巻です。アクセスはチャチャニ火山の麓にある町アレキパからツアーで行くのが一般的で、道中には段々畑や先住民の村々も点在し、文化と自然の両方を楽しめるルートです。
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