歩いて作る動物図鑑、マダガスカルでアイアイに出会う!

マダガスカル・パルマリウムで撮影したアイアイ(キツネザルの仲間)|歩いて作る動物図鑑

絶滅危惧ランク

EX
Extinct(絶滅)
EW
Extinct in Wild(野生絶滅)
CR
Critically Endangered(絶滅寸前)
EN
Endangered(絶滅危惧種)
VU
Vulnerable(危急種)
NT
Near Threatened(準絶滅危惧)
LC
Least Concern(低リスク)

マダガスカルの不思議なキツネザルをパルマリウムで観察!

マダガスカルのキツネザルの中でも特に異質な動物。リスのような猿のような不思議な愛らしい姿。世界一周の旅で必ず会いたかった一番好きな動物です。撮影するにも苦労したが、マダガスカルで確実に近くで撮影できるパルマリウムにいる個体を紹介。

鋭い爪でタッピングをするアイアイ

異様に長い中指を持つ

その中指は細長く、鋭い爪を持ちます。この指で木の表面をトントンと叩き(タッピング)、中にいる虫の気配を音で探ります。身近な生き物だとキツツキも同じ方法で虫を探しています。キツツキとの違いは虫の存在を感じると前歯で穴を開け、その中指を差し込んで幼虫を器用にかき出します。ピンセットのような役割を果たす、独自の採食法です。

夜のパルマリウムでココナッツを食べるアイアイ(マダガスカル固有種・キツネザルの一種)|歩いて作る動物図鑑

パルマリウムの個体

自分がこのキツネザルを発見したのはマダガスカルの東側にあるパルマリウムという民間の自然保護エコロッジです。他の地域の野生の個体と比べて人慣れしており、比較的近い距離から観察しやすいのが特徴。夜行性である点は同じですが、施設内の照明や給餌スケジュールにより、行動リズムがやや人為的に調整されています。野生下では非常に警戒心が強く、暗闇の中で素早く移動するため観察が困難だが、パルマリウムの個体は環境が限定されており、行動範囲が狭く、採食行動やタッピングも比較的じっくり観察できます。爪や毛の状態も比較的整っており、健康管理が行き届いています。

パルマリウムで観察したアイアイの巣。枝の間に植物を集めて作られた球状の構造|歩いて作る動物図鑑

木の上に作られた巣

巣は、丸くて球状の「リーフネスト」と呼ばれる構造をしています。木の枝の間に作られ、外側は葉や小枝を絡めて編むようにして形成されます。内部には柔らかい素材が敷かれ、快適な寝場所として機能します。入口は1か所で、側面や下側に小さな穴が開けられることが多く、外敵から身を守るように設計されています。さらに巣の大きさは直径30〜50センチ程度で、1頭が体を丸めて収まるのにちょうど良いサイズです。昼間はこの巣で休み、夜になると活動を始めます。このような巣作りはアイアイ特有の行動で、他のキツネザルにはあまり見られません。基本的に1頭で1つの巣を使いますが、母子で共有することもあります。

パルマリウムへ向かう途中の川沿いの風景。青空と熱帯林が水面に映り込むマダガスカルの自然|歩いて作る動物図鑑

パルマリウムにはどうやって行くの?

首都から向かうならパルマリウムに行くためのツアーに参加するのが一番簡単な方法だ。自分は貧乏バックパッカーなので、自力で行こうとしたが長距離バスは通っておらず、基本的に移動手段はない。そのためヒッチハイクで町を移動しながらモナンバトという湖畔付近の町を目指し、そこからのボートでパルマリウムに上陸した。見るからに怪しいお兄さんについて行って送迎してもらったり怖い想いもした。しかし親切な人達のおかげで辿りついた思い出深い場所だ。

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