歩いて作る動物図鑑、コスタリカの熱帯雨林でシロヘラコウモリに会う!

絶滅危惧ランク

EX
Extinct(絶滅)
EW
Extinct in Wild(野生絶滅)
CR
Critically Endangered(絶滅寸前)
EN
Endangered(絶滅危惧種)
VU
Vulnerable(危急種)
NT
Near Threatened(準絶滅危惧)
LC
Least Concern(低リスク)

世界でも2種類しかいない貴重な白いコウモリ

世界中を探しても全身が真っ白のコウモリはこのシロヘラコウモリかゴーストバットと呼ばれるコウモリの二種類しかいない。幼い頃、図鑑で見たこのコウモリを35歳にしてようやく本物に出会うことができた。ちなみにこれらの写真は地面に仰向けになって撮影しているので、撮るのはなかなか大変です。

その大きさは

シロヘラコウモリは体長約4〜5cm、体重5〜6gと、ジャンガリアンハムスター(体長約7〜10cm、体重30〜40g)よりもずっと小さく軽い動物です。見た目はふわふわで丸っこく、ぬいぐるみのような愛らしさがありますが、手のひらにすっぽり収まるサイズで、まるでコットンボールのようです。翼を広げても約10cm程度で、ハムスターが手足を伸ばした状態と同じくらい。ハムスターは地上で活動しますが、シロヘラコウモリは軽く小さい体を活かし、葉の裏にぶら下がって暮らすというユニークな生活をしています。その軽さのおかげで、彼らが集団でバナナの葉にぶら下がっても葉が破れることはありません。

日中は葉っぱの下でテント生活

このコウモリは中米の熱帯雨林、特にホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマに生息しています。森の中でも開けた場所や、日光が差し込むヘリコニアなどの大きな葉がある場所を好みます。洞窟や木の穴ではなく、自分たちでヘリコニアの葉を噛んで折り曲げて「テント」のような隠れ家を作ります。1〜20匹ほどの群れで生活し、夜になると花の蜜などを探して森を飛び回ります。標高は低地の熱帯地域が中心で、人間の手があまり入っていない自然の森が主な住処。

こちらを見つめるシロヘラコウモリ

どこで見れるの?

こんなに可愛いが、中米の一部でしか見ることはできません。確実に見たいならコスタリカのサラピキという地域に行くのがおすすめ。ここには民間の保護区が何カ所かあり、ガイドを連れて見ることができる。

白い体のゴーストバット

こちらは別種のゴーストバット

シロヘラコウモリとゴーストバット(特にDiclidurus albusなど)はどちらも白い体毛を持ちますが、まったく異なる種類のコウモリです。まず大きさが違い、シロヘラコウモリは体長4〜5cm、体重5〜6gと非常に小型ですが、ゴーストバットは体長10cm前後と倍以上の大きさがあります。生活スタイルも異なり、シロヘラコウモリはヘリコニアの葉を丸めて作る「テント」に昼間集まり、花の蜜を食べます。一方、ゴーストバットはより高い場所を飛び回り、昆虫などを捕まえる昆虫食です。また、シロヘラは中米の一部にしか生息しませんが、ゴーストバットは南米や中米に広く分布しています。見た目は似ていても、生態や習性は大きく異なります。

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